【チマチマ偉人列伝】 第1回水木しげるさん

部屋中に埋め尽されていた妖怪フィギュアに仰天!!


 日経新聞の人気連載「私の履歴書」に8月1日から漫画家・水木しげるさんが登場した。毎日読んでいると「へエー」というエピソードが満載されている。
 水木さんの人気作は「ゲゲゲの鬼太郎」だが、「ゲゲゲ」の由来は幼少時代、言葉が遅く、自分の名前のしげるが言えずに「ゲゲゲ」になってしまったこと。だから、あだ名が「ゲゲ」だったこと。小さい頃から紙と鉛筆があれば、いつまでも絵を描いていたこと。ガキ大将で健康優良児で、よく食べ、よく寝て、いまでも居眠りが大好きなこと。
 「天衣無縫の怠け者」みたいな人なのだが、この人の『凝り性ぶり』は凄い。 81歳の今日まで描いた妖怪は1000種類を超えるという。ギネスに申請しようか という話もあるそうだ。妖怪の世界にのめりこんだキッカケは、「のんのんばあ」
だ。幼少時代、近所に住んでいたバアさんで、ヒマさえあれば、妖怪の話をしていたと言う。水木さんの出身は鳥取県。当時は寓話の語り部のような人がいたらしい。以来、妖怪一筋。戦争で左腕を失う悲劇に見舞われたが、右腕だけで、妖怪を描き続け、さらに「妖怪名言集」や「あの世事典」まで出版、ついに今年3月、郷里の境港市に「水木しげる記念館」をオープンさせた。
 その水木さんの事務所を訪ねて驚いた。調布市のマンションの3部屋が全部事務所で、部屋の中は小さな妖怪フィギュアで埋め尽されているのだ。
 鬼太郎、目玉オヤジ、ぬりかべ、ネズミ小僧、ぬらりひょん・・なるほど1000種類は楽にある。妖怪フィギュアはデカイと不気味だが小さいと可愛いらしいから
か、全部、大きさは身長10センチくらい。このチマチマ・ワールドは圧巻だった。
 水木さんとは時節柄、ちょっと戦争の話をした。
 「これから色々なところで戦争が起こるだろうね。悪いやつが世界中に散らばっている。戦争はやっちゃいかんが、戦わなければ駄目なときもある。今の日本は情けないね。オカマ社会みたいだ。米国の占領が続いて、こうなっちゃたんだな」
 水木さんは悲惨な戦争体験を漫画にしていたりして、反戦の言論活動で知られる。生命を脅かされることもなく、飢えの心配もなく、ものつくりに没頭できる『楽しさ』『喜び』を知りぬいている水木さんが「平和ボケ」を嘆くのだから、今の日本、よっぽど、狂っているのかもしれない。


(SHUNJI)


























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